2024年2月15日
もともと料理人だった章隆さんにとって、食べものをつくるという佳奈さんの提案は魅力的だった。一も二もなくそれを後押しし、二人で新規就農の計画を立てた。
2024年2月15日
もともと料理人だった章隆さんにとって、
食べものをつくるという
佳奈さんの提案は魅力的だった。
一も二もなくそれを後押しし、
二人で新規就農の計画を立てた。
「私たちは農家ではなかった」
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2024年2月15日
もともと料理人だった章隆さんにとって、食べものをつくるという佳奈さんの提案は魅力的だった。一も二もなくそれを後押しし、二人で新規就農の計画を立てた。
2024年2月15日
もともと料理人だった章隆さんにとって、
食べものをつくるという
佳奈さんの提案は魅力的だった。
一も二もなくそれを後押しし、
二人で新規就農の計画を立てた。
2020年10月27日
古巣に戻ることになったのは、三十代の半ばごろ。戻ってきて自分の跡を継いでくれないかと、先代の社長から打診があった。かつての職場に、立場を変えての再合流。一度離れたあの日から、六年の時が経っていた。
2020年10月27日
古巣に戻ることになったのは、三十代の半ばごろ。
戻ってきて自分の跡を継いでくれないかと、
先代の社長から打診があった。
かつての職場に、立場を変えての再合流。
一度離れたあの日から、六年の時が経っていた。
2020年4月23日
「近江園田ふぁーむ」は、長らく米づくり一筋を貫き、高い評価を得てきた農業法人だ。だが数年前、突如としてそこに「野菜部」が新設された。目下、メンバーは二人だけ。二人にとってこの場所は、二重の意味で新天地だった。
2020年4月23日
「近江園田ふぁーむ」は、長らく米づくり一筋を貫き、
高い評価を得てきた農業法人だ。
だが数年前、突如としてそこに「野菜部」が新設された。
目下、メンバーは二人だけ。
二人にとってこの場所は、二重の意味で新天地だった。
2020年3月1日
滋賀県野洲市、三上山。すっと絵筆をすべらせたような稜線が優美で、地元では通称「近江富士」と呼ばれる。千代美さんと晃さん。「ふぁーむ陽光」の二人がここで農業を始めたのは、還暦を過ぎてからの話。
2020年3月1日
滋賀県野洲市、三上山。
すっと絵筆をすべらせたような稜線が優美で、
地元では通称「近江富士」と呼ばれる。
千代美さんと晃さん。「ふぁーむ陽光」の二人が
ここで農業を始めたのは、還暦を過ぎてからの話。
2020年3月1日
東京大阪間を「こだま」が開通し、東京タワーが竣工したこの年、二百年続く米農家の長男として中道唯幸さんは生を受けた。生来の悪戯好きでやんちゃ坊主。何に対しても物怖じせず、常に近所を駆け回っていた。
2020年3月1日
東京大阪間を「こだま」が開通し、東京タワーが竣工した
この年、二百年続く米農家の長男として
中道唯幸さんは生を受けた。
生来の悪戯好きでやんちゃ坊主。
何に対しても物怖じせず、常に近所を駆け回っていた。
2020年3月1日
「親子関係」に終わりはないが、「子育て」には静かな区切りのようなものがある。子供たちがまだ幼かった頃、毎日は激流のように過ぎた。優雅さとは無縁の一日のはじまり。太陽の下が、毎日の定位置だった。
2020年3月1日
「親子関係」に終わりはないが、
「子育て」には静かな区切りのようなものがある。
子供たちがまだ幼かった頃、毎日は激流のように過ぎた。
優雅さとは無縁の一日のはじまり。
太陽の下が、毎日の定位置だった。
2020年3月1日
黒田一成さんの出身は兵庫県神戸市。大学を出たあとも一度は三ノ宮の街で就職。柔和で落ち着いた物腰には、今も都会育ちの雰囲気が残っている。それだけに、一般企業の営業職から一転しての就農は、周りにとっては寝耳に水だった。
2020年3月1日
黒田一成さんの出身は兵庫県神戸市。大学を出たあとも
一度は三ノ宮の街で就職。柔和で落ち着いた物腰には、
今も都会育ちの雰囲気が残っている。
それだけに、一般企業の営業職から一転しての就農は、
周りにとっては寝耳に水だった。
2020年3月1日
自問自答の数は顔に出る。器用な生き方はできないのだろう。村上雅紀(まさき)さんの表情は、いつもどこか思慮を含む。話す言葉は淀みなく滑らかだが、口調は一貫して静か。そこに押しつけがましさはない。
2020年3月1日
自問自答の数は顔に出る。
器用な生き方はできないのだろう。
村上雅紀(まさき)さんの表情は、いつもどこか思慮を含む。
話す言葉は淀みなく滑らかだが、口調は一貫して静か。
そこに押しつけがましさはない。
2020年3月1日
地元、石川を飛び出したのはハタチの時だった。高校の土木科を出てすぐに地元の建築会社に入社したのはいいのだが、大工仕事は重労働で、朝も早い。そんなとき、耳に入ってきた知らせ。聞けば、かつての級友が大阪で一人暮らしを始めたのだという。
2020年3月1日
地元、石川を飛び出したのはハタチの時だった。
高校の土木科を出てすぐに地元の建築会社に入社したのは
いいのだが、大工仕事は重労働で、朝も早い。
そんなとき、耳に入ってきた知らせ。聞けば、
かつての級友が大阪で一人暮らしを始めたのだという。
2020年3月1日
「Family Farmer(ファミリーファーマー)」の杉山順樹さんは、妻の祐子さんのことを「連れ合い」と称する。自然に、素っ気なく、でもどこか温もりをこめて、ちょっと照れくさそうに。
2020年3月1日
「Family Farmer(ファミリーファーマー)」の杉山順樹さんは、
妻の祐子さんのことを「連れ合い」と称する。
自然に、素っ気なく、
でもどこか温もりをこめて、ちょっと照れくさそうに。
2020年3月1日
早朝五時、明けの明星が輝く一日のはじまり、山本さんは眼前に広がる盆地を見渡す。乾拭き屋根、丸や四角や三角の田んぼ、山の麓を流れる川。日本古来の山村で育った山本農園の山本嘉紀さんにとって、農業は自分の原風景に触れる営みでもある。
2020年3月1日
早朝五時、明けの明星が輝く一日のはじまり、
山本さんは眼前に広がる盆地を見渡す。
乾拭き屋根、丸や四角や三角の田んぼ、山の麓を流れる川。
日本古来の山村で育った山本農園の山本嘉紀さんにとって、
農業は自分の原風景に触れる営みでもある。