野菜が野菜になるまでに

野菜は言葉を発しません。
自らの生まれ育ちを語ることはありません。
どんな場所で、どんな風に育てられたのか。
そして、どんな人に育てられたのか。
店先でも、台所でも、食卓でも、誰もそれを教えてはくれません。

野菜は、もとは小さな種子でした。
いくつかの季節を通り過ぎるなかで、
土や、水や、太陽の力を借りて、
実や、葉や、根を、丁寧に造形し、
ゆっくりと、野菜へと姿を変えました。

そして、それを傍で見守る農家も、最初から農家だったわけではありません。
彼ら、あるいは彼女らは一人ひとり、青春の日々を必死に若者として過ごし、そしてどこかの瞬間で、農家という仕事に心から魅了されました。

なぜ、農家になったのか。
なぜ、農業を続けるのか。
必ずしも、そこに明確な答えはありません。
でも、今に至るまでの、そのひたむきな情熱を知るだけで、美味しい野菜がさらに美味しくなるような気がするのです。

私たち「はたけのみかた」が関わるのは、滋賀県で、農薬や化学肥料を使わない農業に取り組む農家さんたち。

このサイトでは、私たちが日々の業務で知り得た彼らの想い、そして、改めてお聞きした農家になるまでの人生について、一人ひとりを丁寧に取材し、記事にしています。

野菜が野菜になるまでの、そして農家が農家になるまでの、普段は目につかない話。
もしも惹かれるものがあったなら、ぜひ、直接そのお野菜を味わってみてくださいね。